ホワイト・ジャズ ジェイムズ・エルロイ

ホワイト・ジャズ (文春文庫)

ホワイト・ジャズ (文春文庫)



「LA四部作」の最後。
やっと読み終えたという感じ。最初に読んでいた3作目の「LAコンフィデンシャル」を読んでから読もうかとも思ったけれど、結局読まずに読み始めた。
最初は読みにくくて風邪のせいか反応も鈍く読み通せないかもと思ってしまった。それでも1週間以内に読めたのは台風と風邪のおかげかも。


主人公はLAPDの悪徳警官デイヴィッド・クライン警部補。登場人物は悪いやつばかり。こういうところで事件が起こって解決するんだろうか?最初は読みにくいし状況はあまり頭に入らないしで、そんな疑問がわいてどうしようもないまま終わってしまうのではないかと思ってしまった。1章目を読み終えたあたりから読みにくさになれて(少しだけ)、クラインの頭に片足を突っ込むような感じでストーリーにのってこちらの頭がやっと動き出す。クラインの頭に同調できればいいんだろうど、それは無理。とにかく行動している時は頭がフル回転してるようなクラインについていけないのだ。これを追いかけるのがたいへん。疲れた。
プロットは緻密で伏線も周到、独特のストーリー運びで複雑な話がひとつになって真相が明らかになる。やはりエルロイってすごいなぁと思う。残念ながらこちらの頭がついていけなくて?というところもあるし、すっきりというわけではないけれど、ラストもよくて感傷を持って読み終えた。


追いつめられて行く感じは「ビッグ・ノーウェア」のほうが強かったように思ったけれど、「ホワイト・ジャズ」がそれほどでもないのは「ビッグ・ノーウェア」を読んだいたせいだろうか?クラインの頭がまわるせい?
刑事部長のエド・エクスリーと警部のダドリー・スミス、「LAコンフィデンシャル」では最後どんなだったけ?とおぼえてなくて、面倒でも「LAコンフィデンシャル」をもう1度読んだほうがよかったのかもしれない。