死への祈り ローレンス・ブロック



死への祈り (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)


「死への祈り」はローレンス・ブロックのマット・スカダーシリーズの15作目。
読書も久しぶりだし、前作の「皆殺し」を読んから少なくとも5年は経ってるんではなかろうか。


マンハッタンに住む資産家の夫婦の惨殺事件。一見単純な強盗殺人に見えたが、被害者がスカダーと妻のエレインが出かけたコンサートに居合わせており(知り合いになったわけではない)その帰宅直後に殺されことやスカダーの前妻の訃報もあって、被害者の姪から聞いた話が気になったスカダーが解決したかと思われた事件の真相を調べ始める。


久しぶりに読むのでどうかなぁと思ったけれど、心配無用で久しぶりのスカダーもどんどん読めた。
スカダーの1人称で語られてきたけど、今回はスカダーの1人称に犯人の3人称が挿入されている形。これもよかったのかも。
ミステリーとしたらそこまで面白いストーリーでもないし、動機もどうかなぁと思わないこともないけど、シリーズの読者ならOK。
たぶん80年代後半から読んでいるのでスカダーとも長いつきあい。最初の頃はお酒を飲んで意識を失って死にそうなっていたアル中のマット・スカダーも一滴もお酒を飲まなくなってから18年なのか、と思っているのは自分だけではないはず、と思っているところ。