フェルマーの最終定理 サイモン・シン



フェルマーの最終定理 (新潮文庫)


サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」が文庫になっていたので読んだ。ピュタゴラスの定理はわかってもフェルマーの最終定理って何?と思ったのだけど、サイモン・シンは「フェルマーの最終定理」の後に書いた「暗号解読」が面白かったので。
17世紀にフェルマーが残した超難問が1995年に完全証明されるまでのノンフィクション。数学の歴史本ともいえそう。生活している上では数学も数論も必要ではないけれど、数は無限にあるし証明というのはほんの少しでも疑いがあれば成り立たず完璧でなければ証明と言えない。まったく数学者というのは...って思ってしまったけれど、面白かった。350年の間大勢の数学者(アマチュアも)が挑戦しても証明できなかったことが証明されたというのは歴史的なことなのだ。さまざまなエピソードをまじえつつ語られるので数論がわからなくても飽きずに読める。すべて理解できるかというとそうでもないんだけど。
内容的には「暗号解読」の方が好きだけど、知らないことが多いので「フェルマーの最終定理」も興味深かった。


読みながら思い出したのは映画「ビューティフル・マインド A Beautiful Mind」。映画を観たときはラッセル・クロウ演じるジョン・ナッシュが鳩の動きまで計算しようとしていて、えーっ、と思ったけど、「フェルマーの最終定理」を読むとわからないでもないなぁ、なんて思ってしまった。