タイタンの妖女 カート・ヴォネガット・ジュニア

カート・ヴォネガット・ジュニアを読むのは大昔に「母なる夜」を途中で断念して以来。
何故今頃読んでいるかといえば、爆笑問題太田光が絶賛していたからではなく、先日読んだメアリ・W・ウォーカーの「神の名のもとに」の中に出てきたから。
どういう話かも知らず最初は時間等曲率漏斗(クロノ・シンクラスティック・インファディブラム)って何よ?って感じだったけれど、壮大な話の中にふざけたククッという笑いがあってしみじみ読み終えた。読み終えたあとにじわじわとくるものがあって不思議なSF小説だった。
先日ビデオで見た「エンジェルス・イン・アメリカ」でジャスティン・カーク演じるエイズにかかったプライアーが苦しくてつらいことばかりでも地上で生きることを選んでいたのを思い出したりもした。
太田光のように「今までであった中で、最高の物語」とは言えないけれど、今までに読んだどんな本とも違うので心に残りそう。読むタイミングによっては最高の物語となりえるのもわかる気がする。


今年の始めタイタンに探査機が着陸。探査機は8年前に打ち上げられて6年半かかって土星の周回軌道に入った。
タイタンの妖女」が発表されてから50年足らず。
タイタンに大気はあるようだけど、春の朝にパン屋の裏口の外で嗅ぐ空気とはもちろん似ていない。
NASAOverview | Cassini – Solar System Exploration: NASA Science
http://moon.jaxa.jp/ja/topics/cassini/