囁く谺 ミネット・ウォルターズ



囁く谺 (創元推理文庫)

ロンドンの裕福な住宅街の一角で、浮浪者の餓死死体が見つかった。取材に訪れたマイケルは、家の女性から奇妙な話を聞かされる。男は自ら餓死を選んだに違いないというのだ。だが、それよりも不可解なことは、彼女が死んだ男に強い関心を抱いていることだった。彼女を突き動かすものは何なのか? ミステリの女王の傑作長編。
*第10位「2003 本格ミステリ・ベスト10」海外ランキング

97年の長編5作目。
これを読んでしまったら、もう翻訳がなくなっちゃうと思って温存した割にはあまり好きではなかった。
相変わらず読み始めたらやめられず一気に読むには読んだんだけど。
事件を追うのは雑誌記者のマイケルで、そこにホームレスの少年と写真技師(男)が加わって話が進み、他の作品とずいぶん感じが違った。1作目の「氷の家」と設定がよく似ているのだけど、ストーリーの割に話を広げ過ぎてキャラクターが生きてないような気がした。とにかく登場人物の行動の動機がどうも理解できず消化不良というところ。
でも、この作品のあとの「蛇の形」は好きだったから、次の翻訳がでたらやっぱり読むだろうと思う。